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社会での活動

琉球絵画の復元

琉球王国の文化財の多くは、第二次世界大戦の沖縄戦によって破壊、焼失してしまいました。しかし、後に人間国宝となる染色家の鎌倉芳太郎(1898-1983)は、すでに大正時代に琉球文化の特色に着目し、大量のガラス乾板写真に記録しました。
東京藝術大学大学院保存修復日本画研究室では、2009年度から琉球王朝最高の絵画とされる御後絵(おごえ:琉球国王の肖像画)を鎌倉写真から復元して描いています。これまでに、第18代尚育王、第17代尚灝王、第14代尚穆王の御後絵を完成し、首里城で収蔵展示されてきました。
また、2016~2019年度には、琉球王国文化遺産集積・再興事業に参画し、琉球絵画の手本となった中国絵画等の復元模写も実施しています。
残念ながら、2019年の火災で首里城(1992年再建)が全焼してしまいましたが、今後も琉球王国の文化財復元を通して復元の担い手育成にも尽力していきます。
展示風景:鎌倉写真、尚灝王、尚育王の御後絵
展示風景:尚穆王の御後絵

御後絵 発見・返還

沖縄戦で焼失したとされていた御後絵がアメリカで見つかり、沖縄に返還されました。<2024年3月15日発表>
詳しくは、沖縄タイムス、琉球新報の記事を検索してください。

山津見神社オオカミ天井絵の復元(福島県飯舘村)

2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故によって全村避難区域(入村可、居住不可)となっていた飯舘村で、2013年4月に山津見神社拝殿が全焼しました。全国でも珍しいオオカミ信仰が継承されている神社の拝殿天井には237枚のオオカミ絵が描かれていましたが、すべて焼失。
火災直前に神社を訪れていた和歌山大学の加藤久美教授、サイモン・ワーン助教は、撮影していた写真を手掛かりにオオカミ絵の復元を企画し、福島県立美術館の増渕鏡子学芸員、NPO法人ふくしま再生の会らと協力。復元模写は東京藝術大学保存修復日本画研究室が担うことになりました。
同研究室では、2015年5月に大学院生有志による現地訪問を経て復元模写に着手し、翌年4月までにすべてのオオカミ絵を完成させました。復元されたオオカミ絵は、2016年5月から福島県立美術館で開催された〈よみがえるオオカミ〉展でお披露目。同年10月に再建された拝殿の天井に奉納設置されています。
なお、飯舘村は2017年3月31日に避難指示が解除されています。


山津見神社オオカミ天井絵復元プロジェクト
ブログ 山津見神社オオカミ天井絵復元プロジェクト (tumblr.com)

法隆寺講演会 2022

1949年の失火で焼損した法隆寺金堂壁画の保存と活用が専門の委員会(2015年発足)で慎重に検討されている。委員会の成果を公開する定期講演会で「法隆寺金堂壁画と壁画模写の価値」について講演しました。
朝日新聞 2022年3月30日
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